緑内障の詳細
緑内障の症状の詳細
一般的な症状として、見える範囲(視野)が狭くなる症状があげられます。しかし、初期症状の段階では全く自覚が無いことがほとんどです。徐々に視野が狭くなるため、中期から末期に発見される事が多いと言えます。
その中でも、急性閉塞隅角緑内障(きゅうせいへいそくぐうかくりょくないしょう)は急激に眼圧が上がるため、激しい眼の痛み・充血・目のかすみ・頭痛や吐き気等の症状が起こります。50歳以上の遠視の女性に多くみられる傾向があります。そして、頭痛や吐き気等の症状のため内科を受診してしまう患者さんが多くいらっしゃいます。
視野のイメージ像です。左から初期、中期、末期です。
緑内障の原因の詳細
人間は、角膜や水晶体を通した情報を、眼球から脳に向かって延びている「視神経(ししんけい)」に伝え、それにより脳に色や形の情報が送られる事で物を見ることが出来ます。
緑内障とは、何らかの理由でその視神経に異常が出て、眼からの情報を脳にうまく伝えられない病気です。
主な原因として、目の中の房水という液体がうまく排出されず、眼の中の圧力(眼圧)が上がる事により、視神経が圧迫される事があげられます。
しかし、近年正常な眼圧であるにもかかわらず視神経障害がおこる、「正常眼圧緑内障」、が存在し、大きな社会問題として取り上げられました。
緑内障の原因は、眼圧のみでは無く、視神経の強さも緑内障の発症に関わっていることが指摘されています。
緑内障の検査の詳細
まず、眼圧検査で正常な眼圧であるかを検査します。
眼圧が高いとわかった場合、隅角検査により房水(ぼうすい)の出口である隅角(ぐうかく)の状態を調べます。
また、眼圧に異常が無い場合の正常眼圧緑内障の診断には、直接視神経を検査できる眼底検査を行います。
そして、自覚症状を確かめる検査として視野検査で病気の進行段階を確認することが出来ます。
緑内障の治療法の詳細
緑内障の治療法として主に3つの治療法があげられます。
薬物療法
基本的な治療方法で、点眼薬により眼圧をコントロールします。緑内障のタイプや眼圧の高さ、病気の進行度等にあわせて処方いたします。
また、眼圧を下げる飲み薬もありますが、副作用が強く出てしまう場合があります。
レーザー治療
主に二つの方法があります。一つは、虹彩(こうさい、茶目のことを指します)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変えるものと、もう一つは、線維柱帯(隅角にあるスポンジ状の房水の流出口)に照射することで房水の排出を促進する方法です。
外科手術
上記二つの治療法でも効果が無い場合に行います。房水が眼の外に染み出すようにする手術と、線維柱帯を切開して房水を排出しやすくする手術の二つがあります。
失われてしまった視神経を再生させることは出来ません。緑内障は、早期発見する事が何よりも重要です。
定期的に眼科での検診を行う事をお勧めします。